COP30がブラジル・ベレンで開幕へ
ブラジル・ベレンで2025年11月10日から21日まで、国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)が開催されます。地球の平均気温は2023年・2024年に観測史上最高を記録し、2025年に単年で産業革命前比1.5℃超えとなる可能性が高まる中、各国が提出すべきNDC(国が決定する貢献)の改訂版の提出状況は全体の約3割にとどまっています。また、米国、中国、日本などGHG排出量が多い国の首相の欠席も目立ちます。このような乖離を抱えたままで、COP30はその溝をどこまで埋められるかが問われています。
COP29では、先進国が2035年までに年間3,000億ドル、世界全体で年間1.3兆ドル規模の気候資金動員を目指す方針が合意されました。COP30では、この資金目標をいかに実行可能な工程表に落とし込むかが焦点となる見通しです。また、開催国であるブラジルが新たに熱帯雨林保護を目的とした基金(TFFF:Tropical Forest Forever Facility)の創設を表明するなど、新たな試みも見られます。
議長国であるブラジルは、COP30を適応策の転換点とする姿勢を示していますが、その中で、健康に関する議論も存在感を増すと思われます。例えば、開催前のイベントでは、気候変動交渉における健康の位置付けについて議論され、その中で「健康は単なる脚注(footnote)ではない」との発言がなされました。加えて、開催国であるブラジルは「Belém Health Action Plan」を提示し、気候由来の健康リスクに対し各国政府の保健システム適応力とレジリエンス強化を目的とした統合的な監視・モニタリングシステムの推進などを提案しています。また、COP28と29と同じく、健康に関する問題を中心に議論するHealth day(11月13日)が設けられています。
このような動きは、プラネタリーヘルスとも密接に関連しています。COP30での議論の進展次第では、プラネタリーヘルスのアプローチが、国際的な気候変動を巡る議論の中で重要性を増す可能性があり、会期中の議論の進展が注目されます。