2025年の年間平均気温、昨年に続き1.5℃ラインを上回るペースが続く
2025.05.24
2025年5月7日、コペルニクス気候変動サービス(C3S)が2025年4月の気象状況を報告しました。この報告によると、2025年4月は観測史上2番目に暑く、世界平均気温は14.96°Cを記録しました。これは産業革命前(1850-1900年)の平均値と比較して1.51°C高く、過去22ヶ月中21ヶ月にわたって1.5°Cのラインを上回る状態が続いています。特に東ヨーロッパ、ロシア西部、カザフスタン、ノルウェーなどでは平均を大きく上回る気温が記録されています。
また、2025年4月の世界海面温度は南緯60°から北緯60°の範囲で20.89°Cと記録され、史上2番目に高い値となったと報告されています。広い海域で記録的に高い海面温度が続いており、北極の海氷面積は平均より3%、南極の海氷面積は平均より10%少ない状態が続いているとされています。このように、エルニーニョ現象やラニーニャ現象といった特異現象が発生していない2025年も世界平均気温や世界海面温度が高止まりしており、気候変動の影響の大きさを物語っています。
こうした高温状態の継続は、人間の健康にも様々な影響を与えるものであることから、プラネタリーヘルスの視点からも重く受け止める必要のある事実であり、各国政府や国際機関において、人の健康やヘルスケア、ウェルビーイングを守る観点から、気候変動への緩和・適応策双方の早急な実施が求められているといえます。