保健医療従事者の9割が気候変動の健康影響を認識ー日本医療政策機構による調査
2026.01.21
特定非営利活動法人日本医療政策機構は、2025年11月13日、同年10月に実施した日本の保健医療分野の学術団体・職能団体・産業団体を対象に実施した調査結果を公表しました。いずれの団体においても、9割以上が「気候変動は発生している」「人々の健康に影響を与える」と肯定的に回答したとされています。そのため、これらの団体において、気候変動の発生と健康への影響は現実的な健康課題として共通認識が形成されているといえます。
一方で、保健医療分野起因のGHG排出量による気候変動への寄与度が「大いに寄与」「ある程度寄与」していると回答したのは、産業団体が3分の2であったのに対し、学術団体では半数以下であったとされています。また、気候変動と健康に関する国内外の動向について、「よく知っている」「いくらか知っている」と回答した割合は、学術団体で約4割に止まり、職能団体ではさらに限定的でした。緩和策や適応策の具体的内容についても、学術団体・産業団体の約6割が「ほとんど知らない」「あまり知らない」と回答しています。会員向けの生涯教育や市民への啓発を実施している団体は全体の数%にとどまっています。
この結果は、保健医療分野が気候変動の影響を受けていることへの認識が醸成されている一方で、同分野がGHG排出や資源消費を通じて地球環境に影響を及ぼす側でもあることへのコンセンサスが形成されているとは言い難い状況を示唆しています。また、具体的な行動や制度設計が追いついていない現状も明らかとなりました。プラネタリーヘルスの観点から、保健医療関連団体が気候変動を含めた環境問題と健康とのつながりを意識して行動に移してくことの意義は大きく、今回の調査を踏まえた各セクターの対応が求められます。