プラスチック条約締結に向けた国際会合(INC-5)が閉会
2024.12.04
国連環境計画(UNEP)のプラスチック汚染に関する政府間交渉委員会の第5回会合(INC-5)が、2024年11月25日から12月1日にかけて韓国・釜山で開催されました。2022年の国連環境総会において、プラスチック汚染問題に対処するための国際的な法的拘束力ある文書の策定を目指す旨の決議がなされ、以降これまで4回の会合が開かれてきました。とりわけ、2024年内に国際条約を取りまとめることが予定されていたため、今回の会議は大きな注目を集めました。
今回の交渉では、プラスチックの生産量削減を巡って各国の意見が大きく対立しました。約100カ国が世界的な削減目標の設定を求める一方、サウジアラビア、クウェート、イラン、ロシアなどの産油国は、強く反対しました。両者の隔たりは埋まらず、今回の会合では具体的な合意に至ることができませんでしたが、今後改めて開かれる会合において、今回の交渉内容をベースに協議が継続される見通しです。
昨今マイクロプラスチックによる健康への影響を示唆する論文が出るなど、健康面への影響も懸念されていることから、プラネタリーヘルスの観点からも今後の交渉の行方が注目されます。