世界の再生可能エネルギー発電量が初めて石炭火力発電量を上回る
2025.10.18
2025年10月7日、英国のエネルギー分野シンクタンク「エンバー」が2025年の世界電力中間予測の報告書を発表しました。この報告書によると、2025年の上半期(1月から6月)において、風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーは世界で5072テラワット時(TWh)の電力を供給し、石炭の4896TWhを初めて上回りました。
再生可能エネルギーによる発電量の増加は、中国やインドの伸びが目立っています。今回の報告書でも、中国は、化石燃料による発電量を2%削減した一方、太陽光発電と風力発電をそれぞれ43%と16%増加させたとされています。インドも風力と太陽光発電をそれぞれ29%と31%増加させ、石炭とガスの使用量を3.1%削減したとされました。
世界全体でも、2025年上半期の太陽光発電量は前年同期比で31%増加しており、世界の電力構成に占める割合は6.9%から8.8%に増加しました。また、世界の国の約半数で化石燃料による発電量のピークは過ぎたとされており、再生エネルギーと石炭火力による電力供給量が逆転したことは、再生可能エネルギーへの移行が加速していることを示しています。
これはプラネタリーヘルスの観点からも重要な局面といえます。再生可能エネルギーへの移行は、気候変動の進行を抑制し、気候変動によって生じうる様々な健康被害を防ぐ可能性もあることから、今後のエネルギー源の動向は要注目です。