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プラネタリーヘルスに関する最新の動向をお伝えします

国連、Climate Summit 2025を開催

2025.10.01

2025年9月24日、国際連合(国連)はニューヨーク本部で首脳級会合である「Climate Summit 2025」を開催しました。本会合は、各国首脳が2035年に向けたNDC(国が決定する貢献)や具体的実施策を提示し、11月にブラジル・ベレンで開催されるCOP30へ橋渡しすることを目的としたものです。

会合では、約100の国・地域が新たな温室効果ガス(GHG)削減計画・方針を表明しました。中でも注目されたのは中国であり、同国は、2035年までにGHG排出量を7~10%削減する初の定量的な目標と、再生エネルギーを拡大させる方針を示しました。今回示された数値は日本(2035年までに2013年比でGHG排出量を60%削減)などと比較すると緩やかで不十分だとする指摘もあります。しかし、本会合の前日にアメリカ・トランプ大統領が国連での演説において「気候変動は詐欺だ」と発言したこととは対照的であることも踏まえると、世界最大のGHG排出国である中国がこうした方針を示したことは注目すべき動きといえます。

プラネタリーヘルスの観点では、気候変動対策は健康リスクを低減する施策でもあることから、本会合を踏まえ、COP30での具体性・実効性ある議論の進展につなげられるかが今後の焦点となりそうです。