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プラネタリーヘルスに関する最新の動向をお伝えします

環境省、2023年度のGHG排出量データを公表

2025.05.06

2025年4月24日、環境省が2023年度の温室効果ガス(GHG)排出量のデータを公表しました。2023年度の日本のGHG排出量は、二酸化炭素(CO₂)換算で約10億1,700万トンとなり、前年度比で4.2%の減少を記録しました。​これは1990年度以降で最も低い水準であり、2013年度比では27.1%の削減となっています。​この減少は、再生可能エネルギーの導入拡大、原子力発電所の再稼働、省エネルギーの進展などが主な要因とされています。 ​

部門別に見ると、産業部門で4.0%、業務その他部門で6.2%、家庭部門で6.8%、運輸部門で0.7%の排出量減少が見られました。​特に家庭部門では、暖冬の影響や省エネ家電の普及が寄与しているようです。​また、再生可能エネルギーの電源構成比は22.9%に達し、前年度から1.1ポイント増加しました。​一方、森林などによる吸収量はCO₂換算で約5,370万トンであり、前年度から0.1%減少しました。この吸収量は、2014年度の約6,900万トンから減少の一途を辿っています。

気候変動は人の健康に様々な影響を及ぼすほか、CO₂濃度は食糧生産や作物に含有される栄養素にマイナスの影響を与えることが示唆されていることから、GHG排出量の削減は、プラネタリーヘルスの観点からも大きな意義があります。今後も着実なGHG排出量の減少につながるよう、省エネ促進や再生可能エネルギーに向けた施策の推進、産業界や市民の意識の向上が望まれます。