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プラネタリーヘルスに関する最新の動向をお伝えします

シンガポール・南洋理工大学、気候変動と健康に関する研究拠点を設立

2025.04.27

2025年4月15日、シンガポールの南洋理工大学(NTU)は、気候変動が熱帯地域に暮らす人々の健康に及ぼす影響を明らかにするための新たな研究拠点、「気候変動・環境健康センター(Climate Change and Environmental Health Centre:CCEH)」の設立を発表しました。

このセンターでは、気候変動に伴う気温の上昇、大気質の悪化、水質の変化といった環境要因が、人間の健康にどのような影響を及ぼしているのかについて、科学的に解明することを目指しています。特に、熱帯地域は気候変動の影響を強く受けるとされており、地球環境の変化に脆弱な地域社会の健康を守るために、実践的かつエビデンスに基づく知見の創出が求められています。

CCEHは、南洋理工大学の医学部にあたるLee Kong Chian School of Medicine(LKCMedicine)を中心に、アジア環境学院(ASE)、地球観測研究所(EOS)、環境生命科学工学センター(SCELSE)、南洋環境・水研究所(NEWRI)など学内の主要研究機関と連携しながら、多分野融合型の研究を展開するとしています。

気候変動を含めた環境問題と健康のつながりを重視するプラネタリーヘルスの視点からも、今回のCCEHの設立は、アジアにおける先進的な学術的取組みとして注目される動きといえます。