Gサイエンス学術会議が気候変動と健康に関する声明を公表し、石破首相に手交
2025.06.21
2025年6月12日、Gサイエンス会議の代表者らが石破首相を表敬し、同会議が採択した共同声明等を手交しました。Gサイエンス会議とは、米科学アカデミーや英王立科学協会など、主要7カ国(G7)の科学アカデミーによる会議であり、日本からは日本学術会議が参加しています。令和7年5月6日から8日にかけて、カナダ・オタワにおいて、カナダにてGサイエンス学術会議2025が開催され、3つの共同声明が採択されました。
そのうちの1つが、「気候変動対策と健康レジリエンス(Climate Action and Health Resilience)」であり、地球規模で進行する気候危機や人の移動、そしてそれらがもたらす健康影響に科学的根拠をもって対応するよう各国に呼びかけています。具体的には、国際的に問題となっている3つの環境問題(Triple Planetary Crisis)である、気候変動、生物多様性喪失、環境汚染が存在することを前提に、それぞれが人の健康に様々な影響を与えることを明記しています。その上で、各国政府に対し、持続可能で強靱な医療システムへの移行や、都市・農業インフラの再設計、健康を軸とした気候変動対策の必要性が提言されています。
この共同声明は、まさにプラネタリーヘルスの考え方に立脚しているものであり、権威ある科学アカデミーによる共同声明によってこのような提言がなされたことは、大きな意義があると思われます。共同声明を受け取った石破政権を始め、今後、各国がどのようにこの共同声明を政策や制度に反映させていくのか動向が注目されます。