健康・医療戦略に「プラネタリーヘルス」が明記される
2025.02.21
政府は2025年2月18日、2025年度から2029年度からの5年間を対象とする新たな「健康・医療戦略」を閣議決定しました。健康・医療戦略は、2014年に制定された健康・医療戦略推進法に基づき策定される政府の健康・医療分野の基本計画で、今回で第3期目となります。感染症対応、ドラックラグ/ロス、がん・認知症、データの利活用等に加えて、グローバルヘルス(国際保健)も主要テーマの1つとして取り上げられ、地球規模での健康課題に対する統合的なアプローチの重要性がより強調されるようになりました。
プラネタリーヘルスとの関連では、戦略内において「プラネタリーヘルス」という言葉が初めて明記されました。具体的には、グローバルヘルスを取り巻く分野横断的な課題への対応の文脈で、「ワンヘルス・アプローチの考えを踏まえ、気候変動と健康、プラネタリーヘルス、薬剤耐性対策を行う」との記載が盛り込まれました。プラネタリーヘルスの具体的な位置づけに対する明確な解釈が示されたわけではありませんが、政府内で人間の健康と地球環境の健全性が密接に関連しているとの認識がより強くなっていることがうかがわれます。
本戦略を基礎に、今後の健康・医療分野において、環境への配慮と人々の健康の両立を重視した具体的な施策が展開されることが期待されます。