ロサンゼルスの大規模な山火事に対する健康への影響が注目される
2025.02.03
2025年1月6日以降、カリフォルニア州ロサンゼルス市およびその周辺で大規模な山火事が相次いで発生しました。現在、これらの山火事はほぼ鎮火されましたが、一時は複数の地域で大規模な山火事が並行して発生しカリフォルニア州で最も破壊的な火災の1つとなりました。特にEaton fireやPalisades fireでは、2025年1月30日時点で合計16,000棟以上の建物が消失し、少なくとも27人が死亡したと報じられています。高級住宅街として知られるアルタデナやパシフィック・パリセーズでの火災が拡大したため、経済損失総額は2500億ドル以上に上るとされています。
こうした山火事は、気候変動によってその頻度や規模が増加していると指摘されています。特に、様々な研究により、山火事によって発生するPM2.5などの微小粒子は、呼吸器系疾患のリスクを高めるとされています。さらに、都市型火災では、住宅や建物に含まれる化学物質が燃焼し、これらの有害物質が微小粒子とともに大気中に放出されるため、健康リスクは一層深刻になります。特に子供や妊産婦は、これらの有害物質の影響を受けやすく、胎児期や小児期の曝露は、脳の発達に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。また、山火事による避難や財産の喪失などのストレスは、メンタルヘルスにも深刻な影響を及ぼすことが報告されています。
このように、気候変動が山火事の被害を拡大させ、その結果、健康リスクが増大しています。プラネタリーヘルスの観点からも、山火事に関連した報道や研究は重要な課題であり、今後もその動向を注視する必要があります。