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プラネタリーヘルスに関する最新の動向をお伝えします

国際看護師協会が気候変動に関する声明を発表

2024.12.29

アゼルバイジャンのバクーで開催されたCOP29では、2024年11月18日にヘルスデーが設けられました。このヘルスデーに合わせ、国際看護師協会(ICN)は、気候変動に関する最新の声明(Positon Statement)を発表しました。この声明は、気候変動を「健康とウェルビーイングに重大な影響を与える、人類が直面している最大の脅威(“the single greatest health threat facing humanity with profound implications for human health and well-being” )」と位置付け、看護師、看護協会、政府に対し、持続可能性を促進し、化石燃料からの移行を促進するため、パリ協定を始めとした国際的な目標に基づいた行動や、気候変動に対し強靭なコミュニティ・医療システム構築のための資金調達の拡大を求めています。また、気候変動により健康被害の範囲と深刻度が拡大していることも概説しています。

ICNのパメラ・シプリアーノ会長は、看護職は気候変動が引き起こす健康被害を日々目の当たりにしている立場であり、最も影響を受けやすい女性や子ども、高齢者などの実態も熟知していると述べ、看護教育に気候やサステナビリティーの組み込みや看護師の政策参加を促す必要性を強調しました。

ICNは、これまでも気候変動への適応および緩和策の必要性を繰り返し訴えてきましたが、近年の気候変動と健康に対する世界的な関心の高まりを受け、より強い声明を打ち出したといえそうです。ICNを含め、世界の環境・医療系団体から同様の声明や立場の表明が相次ぐ可能性もあり、今後の動向が注目されます。