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金融庁、企業のサステナビリティ情報開示に関する内閣府令の改正案を公表

2026.03.05

金融庁は2026220日、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正(以下「本改正」)を公表しました。本改正は、日本のサステナビリティ基準委員会基準(SSBJ基準)に基づくサステナビリティ情報開示を、有価証券報告書へと段階的に組み込んでいくための制度整備を行うものです。同庁金融審議会の「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」では、202618日に報告書を公表しており、本改正は、その提言内容を具体的な法令へと落とし込んだものと位置づけられます。

SSBJ基準は、サステナビリティ基準委員会により、20253月に公表された日本初の包括的なサステナビリティ開示基準であり、適用基準、一般開示基準、気候関連開示基準の3本柱で構成されています。本改正により、まずは大規模な企業(時価総額の平均が1兆円以上の東証プライム市場上場企業)から段階的にSSBJ基準に沿った開示が求められる方向性が明確になりました。また、制度導入初期の実務負担に配慮し、初年度および翌年度については後日訂正報告書で補完することが可能(いわゆる、二段階開示)とされています。さらに、スコープ3温室効果ガス(GHG)排出量については、推論による算定が避けられないことから、その算定の前提や推論過程、社内の開示手続を合理的な範囲で具体的に記載していれば、直ちに虚偽記載責任を問われないとする考え方(セーフハーバー・ルール)が示されました。

環境問題は、気候変動や大気汚染、自然環境の劣化などを通じて、人々の健康に直接的・間接的に影響を及ぼします。こうした課題に対処していくためには、企業の主体的な取り組みが不可欠です。本改正を含む一連の制度整備は、企業に環境課題への対応状況を開示し説明責任を果たすよう求めることで、持続可能な経済活動への転換を促すものといえます。その意味で、本改正は、地球環境と人々の健康の相互関係に着目するプラネタリーヘルスの実践にとっても、重要な動きといえるでしょう。