フランスの著名な医学・生命科学研究機関であるパスツール研究所は、プラネタリーヘルスに関する新たな拠点として、プラネタリーヘルス・イノベーションセンター（Phic）を日本に開設しました。

このPhicは、同研究所と東京大学との連携協定に基づき、日本パスツール研究所の下に設置されたセンターです。同センターは「ライフサイエンス／バイオサイエンスを中心とした研究支援・イノベーションコンサルティング・起業促進チーム」としての役割を担います。

注目すべきは、Phicが単なる研究支援施設の枠を超えた機能を有している点です。イノベーションコンサルティングやインキュベーター機能に加え、投資ファンドとしての役割も担い、生命科学に関わる企業出資・買収のDue Diligence支援や、投資ファンドの組成・運営なども事業範囲としています。

これまでプラネタリーヘルスの受容は、主にアカデミアや政府において顕著でした。しかしPhicは、ライフサイエンス／バイオサイエンス分野における企業・スタートアップへのコンサルティングや投資も視野に入れています。この動きは、今後ビジネス分野においてもプラネタリーヘルスが重要なキーワードとなる可能性を示唆しており、その展開が注目されます。